toratoaki’s blog

トラになりたかった男の話です

気になる言葉その1『水銀0使用』

その昔、アルカリ乾電池はとても高価で、寿命が2~3倍あると言われても、おいそれと買えない時代がありました。
今はなぜか、100均でも単3だと、4本で100円、マンガン乾電池でもアルカリ乾電池でも同じ100円・・・。

また、その昔、乾電池は長く使うと必ず液漏れするものという常識があった。
放電が進むと、内部の圧力が上がり、被覆を破って、内部の電解液が漏れ出すというもの。
減極剤の進化や亜鉛筐体の強度アップ&純度アップのおかげで、3年間液漏れ保障の乾電池も出現!


そんな電池の進化の中で、特徴的な出来事があった。
それは、『水銀ゼロ使用』です。
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水銀は言わずと知れた公害病水俣病の原因物質であり、水銀中毒とか、昇コウなど、毒性があることで有名な金属元素です。

そんな中、乾電池にも少量の水銀が使用されていた時期があった。
内部の電解液を安定化させる用途であった。

そこでメーカーは安全性をアピールするため、この言葉が生まれた!
『水銀ゼロ使用』!!!


しかし賢明なこのブログの読者なら、すぐに気が付く。
この言葉の正確な表現は、『水銀未使用』または『水銀無使用』または『水銀非使用』であることに。
これらの言葉の中で、未はいまだ~ないという意味で、将来は解らんぞ!というニュアンスがある。
無は適切だが、ゴロが悪い。
あえて使用しないという意味なら、非が適切であると気が付く。

しかし、世に出た言葉は『水銀ゼロ使用』
これには、原料として乾電池の製造には、水銀は使いませんよ!というイメージがある。
しかし何となく日本語ぽくない。
ゼロは0だが、原料としては使っていませんよということは、不純物としてならあり得ますよという裏返しだからです。

『水銀0使用』は正しい日本語で読むなら、『すいぎんれいしよう』のはずだから。
わざわざ、0をゼロと言うあたり、西洋かぶれというか英語依存症の表れでもあると。



また、これとは別に、昔は水銀電池なるものもあった。
小型のボタン電池で、電圧が安定しており、長持ちすることから、釣りの電気浮などにこぞって使用された。
それも時代とともに、アルカリボタン電池に形を変え、さらに精度を求める用途には、酸化銀電池が登場した。
通常銀電池というが、正確には酸化銀電池である。

銀は水銀よりも単体での価格は高く、値段は高価だった。
カメラなどの精密機械の電池に良く使用された経緯がある。

保存性が良く、電圧特性が安定しているので、カメラの露出計には最適な電池であったからだ。



なおこの書庫では、良く使われる、ちょっと変な用語にライトを当てて、時代背景を交えて私の主張を伝えて行きます。
ぜひ、お付き合いください・・・