toratoaki’s blog

トラになりたかった男の話です

デジカメの画素数って気にします? その4

ここで画素数に立ち返ってみましょう。

素数とは画面の分割数ですから、これが多いほど解像度が増すと言えます。
デジタルの画像記録はどこまで行っても直線はギザギザのままなのです。
しかし、この分割数を十分大きくすると、人間の眼にはギザギザに見えなくなってくる領域があります。
これが人間の眼の解像限界と言います。

フィルムの場合、記録方式が異なるので一概に言えませんが、ギザギザはハロゲン化銀の粒子の大きさとほぼ同じと言えます。
これは分子やイオンの領域ですから、デジカメの画素数とは比較にならないくらいの差になります。

一時期、フィルム(アナログ)とデジタルの解像度を数値に換算してみる試みが行われました。
数学的には原理の違うものを比較するわけですから、諸説混合しどれが正解とも言えず、またどれも不正確だともいわれたのです。

そこで人は、人の眼を基準にしようと思いつきました。
数値でごちゃごちゃ言うよりも、見た目で判断しましょというやつです。
方法は、元画像を大きく拡大していって、どちらが早く破綻するかを比較する。
写真がデータではなく、人が目で見るためのもの(写真であること)を逆手に取った方法ですが、
人の感性というのは予想外に凄い精度があって、場合によっては最新の工作機械よりも、
ベテランの職人芸が超えるといった場面を想像してみてください。

デジカメ初期の頃(10万~50万画素時代)はフィルムと同じにするには1000万画素は必要だと言っていたものです。
しばらくすると、いや、2000万画素、4000万画素でも不足だとか・・・?!
ともかく定説がないのは確定のようです。

参考データとして、かつて地上における世界最高の反射望遠鏡である、すばる望遠鏡(ハワイにある)に設置されていた天体カメラは8000万画素だったそうです。


話を戻しましょう。
解像度とは「ものの細かさ」を示す指標で、
たとえばTVなら水平解像度800本とか、プリンタなら1200ドット/インチとか・・・
これらは出力機械です。
デジカメは入力機械になりますので、その定義も違ってくるのですが、感覚的には画面全体の分割数で間違いはありません。

今議論しているのは、絶対的な解像度というよりも、デジタルカメラの撮像素子の分割数であることを忘れないでくださいね。
なお機構そのものを大規模化すれば、解像度はいくらでも(といっても限界が無いわけではない)あげられます。しかし、撮像素子サイズからレンズから全てを巨大化することは現実的ではない。
実際は、規格で定められた範疇で、その高画素化を競っているのであります。


では、高画素化が招く弊害(デメリット)とは何でしょう???
結論を先に書けば、それは「色」と「諧調」です。

諧調は写真用語で、あまり聞きなれない言葉ですが、「色や明るさの段階的変化の滑らかさ」だと僕は理解しております。
つまり、諧調が豊かだと、色や明るさが段階的ではなく、いわゆるアナログ的に徐々に変化して行きます。
すなわち、デジタルらしくない画像と言ってもよいでしょう。

これも写真の一部です。解像度も写真には必要です。
モノクロでは明るさ・暗さの変化具合、カラー写真では色の変化具合が諧調として現れてきます。

よって解像度を欲すれば、色や諧調が犠牲になり、解像度を低くすれば色や諧調が豊富な写真となるわけです。

要するに写真を一枚の絵と見たとき、どちらを重視するかってことです。


ここで再び実際の作例を出してみます。
1:パナソニックDMC-FS2(僕が過去に当たり、盗まれるまで数ヶ月間使ったコンパクト機)
720万画素、1/2.5サイズCCD搭載、薄型コンパクト
イメージ 1


2:またまた登場、ミノルタの名機、F100
400万画素、1/1.8サイズCCD搭載、厚型(笑)、中コンパクト
イメージ 2

被写体はノウゼンカズラ(撮影対象は残念ながら別の花です)

晴天と曇天の差、アングル、焦点距離の差もある。でも僕は下のが良いと思う。
皆さんはどう感じますか?